title : やわらか茶室
category: 茶室
year
: 2006年
photo : 関 大介
かたちや形式をまねるのではなく、
茶室ができた時の精神性を継承したいと思いデザインした茶室。
外側はすべてゴムヒモでできている。
このゴムは入るときは、
ドア(躙口-にじりぐち)になり、入ると壁になる。
なので、どこからでも入れ、内部は上座もなければ下座もない。
茶室が生まれたときに考えられた、
関係性をフラットにするための機能を再解釈したものである。
戦国時代、異常なピラミッド社会の中で、
文化や芸術を発展するためには、
そのヒエラルキーを壊す必要があった。
その装置として茶室は存在していたと思う。
そのための、具体的な建築的な一番大きな発明は躙口であろう。
役割としては、当時の天下人である信長も秀吉もただの人となる
ことに表される様に、ヒエラルキーを崩壊するためのツールであった。
それは土下座の様に頭を下げるという事が、
戦国時代においてインパクがある行為であったから成立したと思う。
しかし、現在、頭を下げる事にはさほど意味がない。
なので、現代において、躙口とは小さな入り口でしかなく、
ヒエラルキーを崩壊するための道具にはならないと思った。
そこで、現在における躙口にかわるそれはなにか?
少し入る事が恥ずかしい入り口。
我々が到達した答えは、
入る人の形と同じだけしか開かないゴムの入り口である。